アンケートから見た東西インカレ(2)
更新が滞っておりましたが、東西インカレ報告会の報告続き。次回完結。
ブランドエッセンス浸透度
東西インカレの理念(Sports for all,all for sports)が、来場者にどの程度浸透していたか。2005、2006年東西インカレと、一般的なバレーボール大会として2005年のワールドグランプリで取ったアンケートの内容を比較。
- 来場動機として、東西インカレのほうがより「for all」的要素*1が高い。「知人がプレーしている」「場所の都合が良い」「以前来場して楽しかった」という回答の率が高い。なお、これらの項目の比率は、2005年のほうが2006年より高い。
- リピーターの来場動機は「以前来場して楽しかった」というものが多い*2
- 初来場者の動機では「以前から大会を知っていたが来場は初」という回答にはファン層が多く、「以前から大会を知らなかった」という回答には「for all」要素の高い層が多い。
- 2005年「また来場したい」と回答したのは全体の78.7%だったが、実際に2006年のアンケート全体の45%が、2005年に来場した層であった。
- 東西インカレ開催4年間を通して、全体の半分以上が2大会以上の来場者。
→バレーファン中心という側面は持ちながらも、いろいろな来場者を集めているのが東西インカレの特徴。「Made in つくば」「Sports for all,all for sports」は浸透しつつある。
来場者背景についての分析
- 一般的な男子バレーボールの国際大会と比較し、男性の来場者率が高い。(全日本が出場する大会で男女比2:8であることに対し、東西インカレの来場者では男女比3:7)*3。
- 年齢層は、2004年以降、最多層である10~20台の比率が下がり、多世代化が進んでいる。
- 2005年から広報を拡大した影響か、2005年より来場者数の半数以上がつくば市外からとなった。
- 普段から観戦習慣がある人と無い人の比率については、2006年東西インカレでは観戦習慣が無い人が35%くらい。一般的な大学の大会(2002年全日本インカレでは、観戦習慣の無い人が20%くらい)に比べて、「素人観戦者」率が高い。
- 年齢層は、男性が10~20代中心だったのが年を追って各世代均等になったのに対し、女性は10~40代に集中する傾向が変わっていない。
- 茨城県内来場者は、2004年はつくば市民ばかりであったが、2005年につくば市および近隣市町村に広がり、2006年ではTX沿線広汎にまで広がった。
- 県外からの来場者は、2004年は関東ばかりであったが、2005年は東北、九州など全国からの来場者も見受けられた。ただし、これはVリーガー招聘の影響が高く、2006年には再び範囲が縮小されてしまった。*4
経済的な効果
- 実は、2006年東西インカレの運営予算は、大会期間が1日少なく、出場チームも少ない前年度を下回っていた。
- 支出のうち多くを占めていた旅費交通費、会議費、パーティー経費を削減し*5、自主財源の安定を図った。なお、2005年大会より、外部財源を自主財源が上回る状況となっている。
- 主な自主財源は、パーティー売上、プロダクト販売である。パーティー売上は利益率が見込める。また、プロダクトは「繋ぎの神髄」Tシャツがいちばん売れ、Sun GAIAや筑波大学のレプリカシャツのような高額商品もよく売れた。ただし、今後に向けては価格の見直し等も必要となってくる。
- 来場者の交通機関は自家用車が50%弱、と車社会の影響をモロに受けた内容となっている。TXとは2006年密接な関係を築いていたが、TXに対する還元はあまりできていなかった。
- 宿泊需要は思いのほか上がらなかった。殊に連泊が少なかった。
- 会場内の消費活動については、規模が縮小された。
- 2006年大会では、つくば市へのそこそこの税収還元が期待できる状況となっている。
- 東西インカレ4年間の経営努力を、これからのクラブ運営(経営)にどうつなげていくか…?